【現役医師連載コラム】美容医師が節約家で投資家であるべき理由

【現役医師連載コラム】美容医師が節約家で投資家であるべき理由

こんにちは、美容医師で投資家の大石です。

今回は「美容医師が節約家で投資家であるべき理由」という事で、これもまた完全に僕の持論ですが、話をさせて下さい。

美容医師と言えば

≪ 高収入 ≫
≪ 若い ≫
≪ 浪費家 ≫

というイメージが、ありませんか?

僕は少なくとも、こういったイメージを持っておりますし、実際にその確率は高いと思います。実際に、収入が高いか低いかで言えば、当然高い部類、2000万円はまず固いでしょう。

一方で「浪費家」という点。こちらもまた真実だとは思いますが、これは危険だと思います。

美容医師が「節約家」であるべき理由

美容業界というのは、いわば自由診療の業界です。

大きな参入障壁と言えば、医師免許があるかないか、というだけ。ある意味ではあらゆるクリニック、医療業界の中でも、最も参入障壁の低い領域だと言えるかもしれません。

そういった環境は、競争が激しくなります。

どういう競争か?それは価格競争、マーケティング、人材獲得、新メニュー開発…あらゆる要素に及びますが、一言でまとめてしまえば「経営上の競合が多く、過当競争になりがち」という事です。

これが、美容医師が節約家であるべき理由の1つめです。

競争が激しいという事は、業界的に荒れやすいという事です。新規参入者が常にあって、需要に対して供給がものすごい速度で増えていく、そんな環境です。

その過当競争は、顧客獲得の難易度を高めながらも、顧客単価を下げる圧力になりますので、当然ながら経営上の粗利は減っていって、利益率も下がります。経営的な利益体質が、削られていく一方だという事です。

少なくとも、他の業種、例えば糖尿病内科専門医という障壁がある世界にいる、透析のクリニックのような業態は、美容領域よりは競争が激化しないでしょう。

自由診療であることが、参入障壁を低くしているため、過当競争を常に迫られるのが美容業界の性でもあります。

であるからこそ、美容医師は浪費家であってはいけません。節約家であるべきです。

来る波に備えて、十分な蓄えをしておく必要があります。荒波だとわかっている海域に船で突っ込む時は、入念に蓄えて準備しておくことと、同じです。

浪費家であっても許されるのは、つまり準備や蓄えをそれほど入念に行わなくても航海して良いのは、参入障壁に守られた「穏やかな海」だけなのです。

美容医師が「節約家」で「投資家」であるべき理由

そしてもう1つは、税制による手取り率の低下です。

美容医師は確かに高収入ですが、累進課税制度を採用している我が国では、高収入であればあるほど、税金の絶対額だけではなく、税率が上がります。税率が一定であっても、高収入の人が支払う税金の絶対額は多いはずなのに、税率まで上げられてしまいますから、中々にこれは困ったことです。

さらに、美容医師の業界は競争が激しいと述べました。つまり今年収が高くて、3000万円や4000万円稼いでいたとしても、いつその年収が消えてなくなるか、わからないわけです。全くのゼロになるということはあまり想像できませんが、想定よりも早く年収が低下する可能性は、常にあります。

この年収変動リスクが、日本の税制と絡み合うと、とても美容医師にとって不利な状態が起こり得るのです。

例えば、年収2000万円で5年だと、1億円ですよね。仮に年収2000万円の手取りが1400万円だとしましょう。5年で7000万円です。

一方で、安定した一般勤務医の平均年収が、1000万円だったとします。10年だと、1億円ですよね。仮に年収1000万円の手取りが800万円だとしたら、10年で8000万円です。

美容医師の高年収は、そんなに長くは続かない砂上の楼閣だとするならば、ここにリスクが隠されています。

すなわち、今の美容医師の高年収が長くは続かないとすれば、10年で上記のような差が生まれうる、つまり一般勤務医の安定した低税率の10年でもらえる手取りよりも、美容医師の不安定で高税率の5年でもらえる手取りの方が、低いという事です。

この現象を引き起こしている原因が、累進課税と美容医師の不安定性です。どちらも構造の問題ですので、原因として排除できませんから、形をこちらが合わせていくしかありません。

具体的にはどうすれば良いのか?例えば、メジャーリーグで活躍した某有名野球選手は、年俸を一括で受け取ると税金が高いので、例えば5年で50億をもらうのではなく、引退してからの期間も含めて、50年で年間1億ずつもらう、みたいな形の契約をして、累進課税に対応している、というような話を聞いたことがあります(細かい数字は異なると思います)。

美容医師も高年収で不安定という意味では、野球選手みたいなもの。流石にそういった長期の契約は、大元の会社の規模からしても難しい可能性が高い(倒産する可能性の方が高い)でしょうから、同じようにはできません。

じゃあどうするのか?

簡単です、自分で蓄財するしかありません。

これが、美容医師が浪費家であってはいけない理由の2つめです。

そして、投資家であるべき理由でもあります。

自らの力で蓄財し、その財を拡大することで、不安定な美容医師という荒波に対して備える。リスクをヘッジする。

そういった手段の1つとして、浪費をやめ、蓄財し、投資をする。これが必要になってきます。

特に、税制と絡めて不動産投資を行うという事は、有利だと言えるでしょう。


▼著者
大石龍之介
株式会社ブルーストレージ代表取締役。医師としてクリニックに勤務しながら、不動産投資家としても活動している。

URL:https://bluestorage.co.jp/