【現役医師連載】有料広告をうまく使う【美容クリニックの集客シリーズその3】

こんにちは、美容クリニック医師の大石です。

前回<有料広告をうまく使う>は、SNS運用のポイントとして、どのようなコンテンツを投稿していくべきか、という事にポイントをしぼってお話しました。

今回はガラッと変えて、有料広告についてお話しします。

Twitter、Instagram、Facebook、TikTok、あらゆるSNSは、有料で広告を打てるという事を皆さんはご存知でしたでしょうか?

当然、お金はかかりますが、うまく使えればかなり有効な集客手段になるのは間違いありません。

今回はそんな、有料広告についてです。

そもそも、美容クリニックの集客に有料広告は必要なのか?

美容クリニックの集客に、有料広告は必要なのか、という事についてですが、これは当然ながら必ずしも必要ありません。

内容によります。

例えば、ゴリゴリの美容外科系であれば、正直不要かもしれません。なぜならば、美容外科手術というのは、ハイリスクで高額な消費であり、言ってしまえば家とか車に近いわけですから、あまりマスに向けて広告を打つ意味がそもそもない(広告を見たからと言って購入しようとはなかなかならない)からです。

逆に、例えば脱毛くらいであれば、割とライトな内容なので、広告を打つ事で効果が見込める可能性があります。

ただし、クリニックをオープンしたての場合などは、その限りではありません。マーケティングの業界では「まず認知されないと始まらない」という事で、オープンしたという事実を周辺地域に住んでいる人に伝える事は、割と重要です。

これは、直接的な収益にすぐには結びつかないので、一時的に財布を痛めます。

しかしながら長期的には、例えば誰かが「あそこに新しい美容クリニックできたらしいよ」みたいに、伝聞で情報が伝わって、それを確かめるべくGoogleで検索する、という行動を今の人は取るので、意味のある広告になります。

クリニックの立ち位置、出来立てなのか、昔からあるのか。それによって有効性は異なってくると言っても良いでしょう。

昔からあるクリニックが、ライトな内容を広告する場合

昔からあるクリニックが、認知を目的とするのではなく、直接的な集客を目的に、ライトな内容を広告する事は、意味があります。

オススメなのは、やはりInstagramです。

 
僕が運用している範囲ですと、脱毛に関して、自分のクリニックの半径17km以内くらいの、18歳〜40歳くらいの人をターゲットに、広告を出しています。

1クリック70〜90円くらいで集客できていて、かなり効率が良いと言えます。

そのうち100人に1人くらいがクリニックに実際に来て、2人に1人くらいが契約していきますから、1契約あたりの広告単価が2万円弱になります。

例えば脱毛で、20万円のコースを契約したとして、2万円の広告費なら、悪くないですよね。

このように、既にあるクリニックが直接的な集客を目的に、ライトな内容で広告することは、正しく運用すれば有効です。

新しいクリニックが、認知を目的に広告する場合

新しいクリニックが、認知を目的に広告する場合は、クリック単価ではなく、インプレッション単価で広告を出すのが良いでしょう。

インプレッションとは、言ってしまえば「クリックはしないけど広告を見た」人のことであり、クリックしそうな人でなくても、とりあえず見てもらって、認知させることを目的にした広告手法です。

ターゲットの設定などにもよりますが、1000インプレッションあたり200円とか、300円くらいが相場です。

例えば、クリニックの商圏に見込み客が40万人いたとして、彼らにまんべんなく認知させることが、新しいクリニックでは必要になります。

仮に1000インプレションで200円だとして、40万人に1回見てもらうには、これが400セット必要なので、8万円必要です。

仮に全員に、まあ5回は見てもらうとしたら、40万円です。

逆にいえば、たった40万円かければ、商圏のターゲットになる人に、5回、見てもらえるということになります。

流石に短期間で5回みれば、ある程度は脳に焼き付くでしょう。

このように、ターゲットと目的が明確であれば、それに合わせて正しい有料広告の手法を選んで、実行することは非常に有効です。

オススメはInstagramですが、年齢層が少し高めの男性を狙うなら、Facebookもアリです。

美容クリニックは、Googleのリスティング広告を優先せよ

ここまで書いてきたのですが、個人的にはSNSの有料広告よりも、まずはGoogleのリスティング広告を優先すべきだと思っております。

Google検索で上位に【広告】として表示される、アレです。

理由は単純明快で、他のクリニックに利用されてしまうことを防ぐためです。

例えば、結構前からある、知名度が高い美容クリニックがあったとします。仮に名前を、ABCクリニックとしましょう。

近隣に脱毛のクリニックができました。仮にツルツルクリニックとしましょう。

ツルツルクリニックからすれば、場所的にはABCクリニックの近くですから、ABCクリニックに来るような顧客層から、お客さんを引っ張って奪い取ってしまいたいわけです。

このためには、一体どうすれば良いでしょうか。

答えは簡単です。

ツルツルクリニックが、「ABCクリニック 地名」「ABCクリニック 脱毛」とかのワードで、リスティング広告を出してしまえば良いのです。

ABCクリニックを目的に検索してきている、言わば太客のようなお客さんが、検索しそうなワードでリスティングの網をはってしまえば、あとは自動で集客できてしまいます。

これを防ぐためにも「自分のクリニックの名前」のワードで、自分でリスティング広告を出すことは、守りを固めるという意味で、必要なのです。

いかがでしたでしょうか?これらのうち、まだ1つもやっていないという美容クリニックの先生はいらっしゃるのではないでしょうか。

まずはリスティングで守りを固めてから、試しにSNS広告もやってみると、面白いですよ。


▼著者
大石龍之介
株式会社ブルーストレージ代表取締役。医師としてクリニックに勤務しながら、不動産投資家としても活動している。

URL:https://bluestorage.co.jp/