【現役医師連載コラム】看護師の採用が難しくなっている、って話

看護師の採用が難しくなっている、って話

みなさんこんにちは、美容クリニック医師で投資家の大石です。

最近、看護師さんの人材採用に頭を悩ませております。業界歴が長い先生にお話を聞いてみても、昨今の看護師の採用は難しいところがあるようです。

看護師さんがいないと、クリニックって回らないですから…死活問題ですよね。

一体なぜなのでしょうか?また、対処法はあるのでしょうか?

看護師の採用が難しくなっている理由

看護師の採用が難しくなっている理由は、いくつかあります。

まず1つめ、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、看護師の仕事場が急増したから。

新型コロナウィルス感染拡大に伴い

・ワクチン接種
・療養者のホテルのバイト

など、看護師じゃないとできない仕事が大量に生み出されました。

これにより、看護師の仕事場所が急増し、相対的に需要と供給のバランスが崩れ、一時的に看護師の人材難が発生していると考えられます。

実際、僕の知り合いの看護師さんも、美容クリニックをやめてフリーでフラフラしながら、看護師のバイトをして食いつないでいるようです。実際、これができてしまう環境が、今の看護師という人材には起こっているという事ですね…。

次に2つめ、景気が良いから。

景気が良い事と、看護師の採用が難しくなる事は、一見すると何の関係もないように見えますが、実はそうではありません。

例えばあなたが看護師だとして、まあ月の給料が28万円だったとします。仕事はストレスが多く、人間関係も複雑。可能ならば看護師として働かないで、何か別の方法で生きていく事はできないのか、と模索する事でしょう。

そこで、景気が良い時代。彼女の友人が不動産の会社に就職。仕事は定時で、簡単そうなのにもかかわらず、月収は40万円。それでも人手が足りないという事で、追加で積極採用をしています。

どうでしょうか?看護師を辞めて、そちらに転職する事を考えませんか?

そうです、景気が良いと、看護師は「看護師として働かない」という選択をとる人が増えるのです。彼女たちは、最悪「仕事がなくなったら看護師に戻れば良い」くらいの感覚です。

これは、ある意味合理的な選択であって、まあそうするよね、って言う話なので、看護師を攻める事はできないと思います。

逆に、看護師の給料の多くは、国民皆保険制度によって成り立っていて、景気がよかろうが悪かろうが、あまり給料が増えたり減ったりしないというのが、看護師という免許の強みでもあります。

これは構造上の問題であって、どうしようもできない事です。諦めるしかありません。

逆に言えば、景気が悪くなれば他の仕事につく事が難しくなった看護師が、「看護師」として働き始めるので、看護師採用の全体のパイが増えて、看護師採用が少しラクになるかもしれませんね。

看護師の採用をラクにするために

看護師の採用をラクにするためには、一体何ができるでしょうか?

ここで、一般的には

・給料を上げる
・福利厚生を充実させる

などという回答が出てきますが…それができれば苦労しないですよね。それができないから苦労しているわけですから。

給料をあげたり、福利厚生を充実させるみたいな事以外の方法で、看護師の採用を広げるには一体どうしたら良いでしょうか?

個人的にオススメなのが、リファラル採用です。


リファラル、いわゆる「知り合いのつて」を使った採用のことで、すでに働いている看護師さんの知り合いや、その友達など、人間観系の輪を外に広げることで、その輪の内側にいる看護師さんを直接採用する事を、リファラル採用と呼びます。

今、このリファラル採用が脚光を浴びています。

というのも、人材採用難は看護師に限った話ではなく、あらゆる業界で起こっていて、各企業が採用に必死です。

そこで大きなプレゼンスを発揮するのがリファラル採用です。

リファラル採用が有効なのは、いくつかの理由があります。

1つめ、コスト。

リファラル採用は、コストがほとんどかかりません。仮に採用につなげてくれるスタッフがいたとして、彼らに特別に10万円を渡したとしても、たった10万円です。

転職エージェントとかに頼んで、数十万円取られるよりは圧倒的に安いですよね。

2つめ、離職率。

リファラル採用は、いわゆる知り合いの紹介ですから、採用される側もあんまり簡単に仕事を辞めない事が多いそうです。

つまり離職率が低い人材を確保できるので、経済的ではあります。

3つめ、人材クオリティ。

仮に既に働いているスタッフから紹介してもらったとして、そのスタッフからすれば「あんまり変なやつは職場に入れたくない」と思うのが普通でしょう。

つまり、自動で「この人はちょっと」と思うような人材は省く事ができるのです。

ある程度の人材のクオリティが担保されている。これもリファラル採用の良い点です。

看護師の採用が難しい中、給料や福利厚生で、いわば札束の殴り合いで人材を奪い合ってしまっては、はっきりいって疲弊します。すり減ってしまいます。

なるべく看護師はリファラルで採用できるよう、既に働いているスタッフに対してインセンティブを設けるなどして、うまく活用していきましょう。


▼著者
大石龍之介
株式会社ブルーストレージ代表取締役。医師としてクリニックに勤務しながら、不動産投資家としても活動している。

URL:https://bluestorage.co.jp/